汚職対策局、区行政裁判所裁判官の会話記録を公開 裁判所長は圧力だと主張
NABUがウェブサイト上に公開した。
捜査側は、区行政裁判所の裁判所長と複数の裁判官が明らかに不公正な判決を下すことを計画していた他、裁判官の選考を行なっている高等裁判官選考委員会の業務に意図的に問題を起こすため、他の裁判所の活動に介入していたと考えている。
NABUは、これらの区行政裁判所裁判官たちの行動の目的は、司法改革により義務化された裁判官の選考評価を回避するためだと指摘している。
NABUが公開した音声記録では、区行政裁判所のパウロ・ヴォウク所長、イェウヘン・アブロウ副所長、オフルツォウ裁判官、サニン裁判官、アルシリー裁判官、クロテューク裁判官、ポフリブニチェンコ裁判官等の声に似た人物たちによる会話が聞かれる。
音声記録の中では、とりわけ、これらの声の人物たちが、選考評価を回避するべく、どのようにして高等裁判官選考委員会のメンバーを交代させるか、といったことを議論している様子が聞かれる。
さらにNABUは、捜査の過程で、憲法裁判所の幹部を通じて、違法蓄財条項と政権浄化を違憲と認定する判決、控訴裁判所裁判官の判決、国家捜査局の捜査などに影響を与えることを計画していた事例が確認されたと伝えた。また、ヤヌコーヴィチ政権時代の幹部から、裁判所幹部の変更や管理権限を持つ人物の任命への影響についての会話も確認されているとのこと。
一方で、ヴォウク区行政裁判所所長は、今回のNABUの発表について、「複数の音声記録を繋ぎ合わせたものだ」と主張している。27日、同所長がフェイスブック・アカウントにコメントした。
ヴォウク所長は、拡散された音声ファイルは別々の状況、別々の時に発言されたものが繋ぎ合わされたものだと主張した。同所長は、声は同裁判所の裁判官のものに似ているが、発言内容は文脈から分断されているとし、「非常に粗雑な、非専門的なモンタージュだ」とコメントした。ヴォウク所長は、この音声ファイルの公開は、「裁判所への圧力」だとみなしているとのこと。
これに先立ち、26日、アルテム・シートニクNABU局長とホルバテューク検事総局特別捜査局長が記者会見を行い、同日に両機関が行なった区行政裁判所への家宅捜索の目的を説明した他、同区行政裁判所の裁判所長と4名の裁判官に対する、高等裁判官選考委員会の委員の活動への関与に関する容疑文書が作成済みであること、区行政裁判所の裁判所長は他の裁判所の案件の審議にも体系的に干渉していたと発表していた。