ロシア軍はウクライナ東部全域で攻勢主導権を際限なく維持することはできない=戦争研究所
ウクルインフォルム
米国の戦争研究所(ISW)は、ロシア軍はウクライナ東部前行きで主導権を際限なく維持することはできないと指摘した。
8月17日付のISWの報告書に書かれている。
報告には、「ロシア軍は、ウクライナ東部全域で主導権を際限なく維持できるわけではなく、ロシアの攻勢作戦が最高点に達すれば、それはウクライナ軍にその後の主導権を争う機会を与えることになる」と書かれている。
またISWは、ロシアが戦場全域で主導権を得ることで、同国はウクライナにおける戦闘の場所、時間、烈度、要件を決めることができ、攻勢のテンポを決めるためにこの優位を活用してきたと指摘している。
そして報告には、「ロシア軍は、継続的攻勢努力を支えるために、2024年夏を前に戦略・作戦予備戦力を構築する長期の努力を追求してきたのであり、ロシア軍は、おそらく2024年春から夏にかけてウクライナ東部と北東部の全域での攻勢作戦にこれらの予備戦力の多くを消費、投入したとみられる」と指摘されている。
しかし、ウクライナのクルスク州での作戦とロシア側のドネツィク州での攻勢作戦のテンポ維持という優先課題により、ロシアの残存する作戦予備兵力への負荷が強まり、それは戦場での一貫した攻勢作戦を維持する能力に影響を与え始めるだろうという。
そして、ロシア兵力さらにクルスク州に再配置されれば、ロシアがウクライナ北東部・東部での攻勢作戦を維持する能力はさらに弱まるだろうとしつつ、しかし、ロシア軍は前線全域で均等に攻撃活動を低下させるよりは、優先度の低い場所で攻撃活動を低下させ始める可能性の方が大きいだろうと予想されている。