日本政府、ウクライナ国立歌劇場に照明制御装置を供与

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日本政府による無償資金協力でウクライナ国立歌劇場へ照明制御装置が供与され、11日に引き渡し式が開催された。

中込正志駐ウクライナ日本国大使が機器を披露し、劇場に正式に引き渡した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

中込大使は、ウクライナ文化への支援は、文化を破壊しようとするロシアの試みに対する日本の返答だと発言した。

その際中込氏は、「ウクライナのアイデンティティ、歴史、遺産を消し去る目的で、ロシアによってウクライナ全土で何百もの文化・宗教施設が破壊された、あるいは損傷している。これに対し、日本はユネスコと連携して、ウクライナの文化遺産保存の支援をしている。ウクライナの芸術・文化生活の中心である国立オペラ・バレエ劇場に照明操作機器を供与することは、文化支援に対する日本の断固たるコミットメントを示す好例だ」と強調した。

中込氏はまた、ウクライナのオペラ歌手やバレエダンサーが年に2回、夏と冬に日本で公演を行っており、その度に日本の観客が心待ちにしていると指摘し、この劇場は両国の深く長い友好の象徴だと述べた。

ウクライナのベレジュナ文化・戦略コミュニケーション相代行は、戦時下における日本のウクライナ文化支援は特に貴重だと指摘した。

ベレジュナ氏は、「ウクライナの文化は私たちの国家安全保障であり、国民アイデンティティの基盤だ。この国立劇場の活動への投資は、単なる操作盤ではなく、戦時のウクライナの強靭さの重要な一部だ。この機器は最大限最新でマルチメディアのものだ。日本政府からのこの支援は、模範となるべきものであり、私たちはこれを両国の良好な協力関係の例として示せることを嬉しく思う」と語った。

引き渡し式の直後、国立歌劇場ではバレエ「リーズの結婚」が始まり、そこで新しい操作盤が初めて使用された。

引き渡し式と劇場での照明制御装置を使った上演の様子 写真:パウロ・バフムート/ウクルインフォルム