「今は私たちの歴史において最大級に困難な瞬間」=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は21日、国民に対する呼びかけを行い、今ウクライナは主要なパートナーを失う、あるいは尊厳を失うリスクに直面する可能性があると発言した。
ゼレンシキー大統領が動画メッセージの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「今は私たちの歴史の中で最大級に困難な瞬間の1つである。現在、ウクライナへの圧力は最大級に困難なものの1つである。今、ウクライナは非常に難しい選択に直面する可能性がある。尊厳の喪失か、あるいは主要なパートナーを失うリスクか。あるいは困難な28項目か、あるいは極めて厳しい冬、最も厳しい冬と、さらなるリスクかだ」と述べた。
また同氏は、(米国に)提案された案の全ての項目の中で、少なくとも2つの項目、ウクライナ人の尊厳と自由、が抜け落ちることがないように、自身は闘っていくと強調した。その際同氏は、「なぜなら、私たちの主権、私たちの独立、私たちの大地、私たちの人々、そしてウクライナの未来といった、他の全てのことが、それ(編集注:尊厳と自由)に基づいているからだ」と説明した。
また同氏は、大声で発言するのではなく、米国と全てのパートナーたちとの冷静な作業行っていくと明言した。
そして同氏は、「私は論拠を提示していくし、説得していくし、代替案を提案していく。しかし、ウクライナが平和を望んでいないとか、プロセスを頓挫させているとか、ウクライナには外交の準備がないなどと敵に言わせる口実を私たちは決して与えない。そういうことにはならない」と発言した。
その他同氏は、大きな試練の時における、ウクライナ人の団結の必要性を強調した。同氏は、「私は今、全てのウクライナ人に呼びかけている。私たちの人々、国民、政治家、全員にだ。団結せねばならない。我に返らねばならない。いさかいをやめなければならない。政治ゲームをやめなければならない。国家が機能しなければならない。戦っている国の議会は、団結して機能しなければならない。戦っている国の政府は、効果的に機能しなければならない。そして私たち全員が一緒になって、今日、誰がウクライナの敵なのかを忘れないよう、混同しないようにしなければならない」と強調した。
同氏はさらに、全面侵攻の最初の日々を振り返り、当時多くの人が降伏が必要だと語っていたが、降伏は生じなかったし、今も降伏は生じないと強調した。
そして同氏は、「私は、私たちの歴史の中で本当に最大級に困難な瞬間において、私が1人ではないことを確かに知っている。ウクライナ人が自国を信じていること、私たちが団結していることを。私の背後にはウクライナ国民がいることを100%知っていることで、今後のパートナーたちとの全ての会合、協議、交渉のあらゆるフォーマットにおいて、私たちにとっての尊厳ある平和を勝ち取り、彼らを説得することが、私にとってはるかに、はるかに容易になるのだ」と発言した。
同氏は加えて、来週は非常に厳しく、様々な出来事が生じるだろうと伝えた。そして同氏は、「私たちは、私たちの平和のために外交の場で働いていく。私たちは、私たちの平和のため、私たちの尊厳のため、私たちの自由のために、国内で1つになって働かなければならない。そして私は、私が一人ではないことを信じているし、知っている。私と共にいるのは、国民、社会、戦士たち、パートナーたち、同盟国、私たち全ての人々なのだ。尊厳のある、自由で、団結した人々なのだ」と強調した。
なお、ウクライナでは、11月21日は「尊厳と自由の日」と定められている。この日は、現代ウクライナの歴史における運命を定める大きな出来事、2004年の「オレンジ革命」と2013年の「尊厳の革命」という二つの革命の始まりを記念して、2014年11月13日付大統領令により制定されたものである。