ウクライナ議会、ハルシチェンコ司法相とフリンチューク・エネルギー相を解任
ウクライナ最高会議(国会)は19日、ヘルマン・ハルシチェンコ司法相とスヴィトラーナ・フリンチューク・エネルギー相を解任した。
最高会議議員323人がハルシチェンコ氏の解任を、315人がフリンチューク氏の解任を支持した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
なお、ハルシチェンコ氏も、フリンチューク・エネルギー相も、スヴィリデンコ首相も最高会議を訪れておらず、そのことで議員たちが遺憾の意を表明していた。
その際、ステファンチューク最高会議議長は、前述の閣僚には全員今回の会議と解任手続きについては報告してあると発言した。
これに先立ち、10日、ウクライナの政権高官の汚職犯罪に特化した捜査機関「国家汚職対策局」(NABU)の捜査官が、ビジネスマンでゼレンシキー宇大統領がかつて所属していた「第95街区」のスタジオ共同所有者であるティムール・ミンジチ氏と、以前エネルギー相を務めていたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の家宅捜索を実施していた。
また、NABUは、11日、エネルギー分野における汚職事件の捜査の一環として、5人を拘束し、7人に容疑を通知したと公表した。
汚職犯罪調査報道プロジェクト「スヘーミ」によれば、この7人の容疑者はティムール・ミンジチ(音声記録上のコードネームは「カルルソン」、ゼレンシキー宇大統領の元ビジネスパートナー)、イーホル・ミロニューク(同「ロケート」、元エネルギー相顧問)、ドミトロー・バソヴァ(同「テノール」、原子力発電公社「エネルホアトム」安全担当執行役員)、オレクサンドル・ツケルマン(同「シュハルメン」)、イーホル・フルセンコ(同「リョーシク」)、レーシャ・ウスティメンコ、リュドミラ・ゾリナ。
ウクライナ閣僚会議(内閣)は12日、汚職犯罪事件の捜査で家宅捜索を受けたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の職務を停止している。
ゼレンシキー宇大統領は12日、このエネルギー部門の大規模汚職犯罪摘発に関連して、ヘルマン・ハルシチェンコ司法相とスヴィトラーナ・フリンチューク・エネルギー相は辞任すべきだと発言していた。なお、両閣僚には、容疑は通知されていない。
また、国境警備庁の情報では、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者は、家宅捜索の行われる前にウクライナから出国したことが判明している。ゼレンシキー大統領は13日、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者に対して制裁を発動する国家安全保障国防会議(NSDC)の決定を発効させている。
同時に、前述の拘束された容疑者とチェルニショウ元副首相の勾留が決定している。
写真:エネルギー省