メルツ独首相、ゼレンシキー宇大統領に汚職スキャンダルの解決を要請
ドイツのメルツ首相は、ウクライナのゼレンシキー大統領に対し、同国で生じた汚職スキャンダルに速やかに終止符を打ち、汚職対策の観点から組織を再点検するよう呼びかけた。
メルツ首相が14日、ベルリンでのキプロスのフリストドゥリディス大統領との共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メルツ氏は、前日のゼレンシキー氏との電話会談で、ウクライナの新たな汚職スキャンダルに注意を向け、それにできるだけ早く終止符を打つこと、そして汚職対策の観点でウクライナの組織を再度見直すことを要請したと述べた。
また同氏は、その電話会談や最近の欧州理事会でも提起されたもう1つの問題として、ウクライナでは兵役が25歳から始まるため、現在18歳から24歳までの若い男性がウクライナから欧州に来ている点にも言及した。
その上で同氏は、「私は彼(編集注:ゼレンシキー氏)に対し、これらの若い男性が国内に留まるようにすることを要請した。なぜなら、彼らはドイツではなく、そこ(ウクライナ)で必要だからだ。たとえそれが兵役を意味するとしても、ウクライナには支援のできるあらゆる人材が必要だ。だからこそ、私はゼレンシキー大統領と改めて非常に率直に話し合った」と述べた。
その他同氏は、同日のフリストドゥリディス・キプロス大統領との会談時、ウクライナ支援について議論したと報告し、なぜならそれは欧州全体の安全保障に関わる問題だからだと補足した。
メルツ氏は、「私にとって最も重要なことは、今後数年間、ウクライナへの財政的支援、そして必要であれば、軍事的支援のための十分なリソースを私たちが持っているかということである。私はそれを行いたいと考えている。なぜなら、私はそのニーズを目にしているし、それは私たち自身の利益だからだ。(中略)ウクライナは侵略国ロシアと戦うために、長期的に必要な財政リソースを確保することが不可欠だ。それが私たちの最優先事項だ」と強調した。
同氏はその際、その一つの方法はロシア凍結資産をウクライナ支援継続のために活用することだと述べ、そのことについて非常に集中的な議論が行われており、欧州委員会は現在、メルツ氏の提案を検討していると伝えた。また同氏は、ドイツはまた、本件に関してEUの様々な加盟国と二国間および多国間の交渉を行っているとした上で、ドイツは「割合に応じて、関連の保証を引き受ける準備がある」と述べた。
フリストドゥリディス・キプロス大統領は、同記者会見時、キプロスは凍結された資産の活用に反対しないと述べた。同氏はまた、EUが自ら導入した制裁の完全な履行を確保する必要があるとも強調した。
その際フリストドゥリディス氏は、「EUの加盟国だけでなく、EUと制度的な関係を持ちたいと望む全ての国々が、それらを遵守しなければならない。その点について、さらに多くのことができるだろう」と述べた。
これに先立ち、13日、ゼレンシキー宇大統領とメルツ独首相が電話会談を行っていた。