ゼレンシキー氏、汚職捜査公表以降、旧知のミンジチ容疑者とは話していないと発言

ウクライナのゼレンシキー大統領は、エネルギー部門の汚職捜査が公表されて以降、「第95街区」スタジオの共同所有者であり、汚職犯罪の容疑が通知された旧知のティムール・ミンジチ氏とは話をしていないと伝えた。

ゼレンシキー大統領がブルームバーグとのインタビューで発言した

ブルームバーグは、今回摘発された汚職スキームは、ウクライナの原子力発電施設をロシアの空爆から守るための防護施設を建設する請負業者からのキックバックを想定するものであったと喚起している。

ゼレンシキー氏は、「最も重要なことは、罪人に対する判決だ。(中略)戦争にある国の大統領は、友人を持ち得ない」と述べ、汚職捜査の公表以来、自身がかつて所属した「第95街区」スタジオの共同所有者であるミンジチ容疑者と話をしていないと強調した。

同氏はまた、「その捜査には、企業の名前が挙がっており、一部の政府高官の名もも挙がっている。まず、閣僚たちは政治的責任を負うことになり、その後、捜査や司法判断に応じて、他の責任を負うことになる」と述べた。

汚職対策機関の情報によれば、ミンジチ容疑者はウクライナのエネルギー部門における資金の流れをコントロールしていたという。同氏はまた、ハルシチェンコ現司法相とウメロウ当時国防相に対する影響力を持っていたという。

なお、ウメロウ氏(現国家安全保障国防会議(NSDC)書記)は、この疑惑を否定している。ハルシチェンコ氏とスヴィトラーナ・フリンチュク現エネルギー相も、ソーシャルメディアへの投稿で、職務遂行中のいかなる不正行為も否定した。

ゼレンシキー氏は、「私は、大統領として、汚職対策機関があらゆる権限を持つことを確保しなければならず、私は彼らに影響力を行使してこなかった。全ての人々が法の下で平等に責任を負わねばならない」と述べた。

これに先立ち、10日、ウクライナの政権高官の汚職犯罪に特化した捜査機関「国家汚職対策局」(NABU)の捜査官が、ビジネスマンでゼレンシキー宇大統領がかつて所属していた「第95街区」のスタジオ共同所有者であるティムール・ミンジチ氏と、以前エネルギー相を務めていたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の家宅捜索を実施していた

また、NABUは、11日、エネルギー分野における汚職事件の捜査の一環として、5人を拘束し、7人に容疑を通知したと公表した

汚職犯罪調査報道プロジェクト「スヘーミ」によれば、この7人の容疑者はティムール・ミンジチ(音声記録上のコードネームは「カルルソン」、ゼレンシキー宇大統領の元ビジネスパートナー)、イーホル・ミロニューク(同「ロケート」、元エネルギー相顧問)、ドミトロー・バソヴァ(同「テノール」、原子力発電公社「エネルホアトム」安全担当執行役員)、オレクサンドル・ツケルマン(同「シュハルメン」)、イーホル・フルセンコ(同「リョーシク」)、レーシャ・ウスティメンコ、リュドミラ・ゾリナ。

ウクライナ閣僚会議(内閣)は12日、汚職犯罪事件の捜査で家宅捜索を受けたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の職務を停止している

ゼレンシキー宇大統領は12日、このエネルギー部門の大規模汚職犯罪摘発に関連して、ヘルマン・ハルシチェンコ司法相とスヴィトラーナ・フリンチューク・エネルギー相は辞任すべきだと発言している

現時点で、拘束された4名の勾留が決定している。同時に、国境警備庁の情報では、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者は、家宅捜索の行われる前にウクライナから出国したことが判明している。ゼレンシキー大統領は13日、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者に対して制裁を発動する国家安全保障国防会議(NSDC)の決定を発効させている

写真:大統領府