ゼレンシキー宇大統領、出国したエネルギー汚職事件容疑者2名に制裁発動

ウクライナのゼレンシキー大統領は13日、10日に摘発されたエネルギー部門の大規模汚職犯罪の容疑者で、国外に脱出した2名に制裁を発動する国家安全保障国防会議(NSDC)の決定を発効させた。

関連大統領令第843/2025が大統領府ウェブサイトに掲載された

制裁の内容は、国家勲章など表彰の類の剥奪、資産の凍結、交易取引の制限、ウクライナ国外への資産流出の阻止、経済・金融義務の履行停止、特定の種類の活動を行うためのライセンスやその他許可(特に地下資源の利用のための特別許可)の停止、ならびに大統領令付属文書に記載されているその他の制限だという。

外務省に対しては、欧州連合(EU)、米国、その他の国の関連当局に対して、制裁の適用について報告した上で、同様の制限措置の発動を提起することが指示されたという。

これに先立ち、10日、ウクライナの政権高官の汚職犯罪に特化した捜査機関「国家汚職対策局」(NABU)の捜査官が、ビジネスマンでゼレンシキー宇大統領がかつて所属していた「第95街区」のスタジオ共同所有者であるティムール・ミンジチ氏と、以前エネルギー相を務めていたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の家宅捜索を実施していた

また、NABUは、11日、エネルギー分野における汚職事件の捜査の一環として、5人を拘束し、7人に容疑を通知したと公表した

汚職犯罪調査報道プロジェクト「スヘーミ」によれば、この7人の容疑者はティムール・ミンジチ(音声記録上のコードネームは「カルルソン」、ゼレンシキー宇大統領の元ビジネスパートナー)、イーホル・ミロニューク(同「ロケート」、元エネルギー相顧問)、ドミトロー・バソヴァ(同「テノール」、原子力発電公社「エネルホアトム」安全担当執行役員)、オレクサンドル・ツケルマン(同「シュハルメン」)、イーホル・フルセンコ(同「リョーシク」)、レーシャ・ウスティメンコ、リュドミラ・ゾリナ。

ウクライナ閣僚会議(内閣)は12日、汚職犯罪事件の捜査で家宅捜索を受けたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の職務を停止している

ゼレンシキー宇大統領は12日、このエネルギー部門の大規模汚職犯罪摘発に関連して、ヘルマン・ハルシチェンコ司法相とスヴィトラーナ・フリンチューク・エネルギー相は辞任すべきだと発言している

現時点で、拘束された4名の勾留が決定している。同時に、国境警備庁の情報では、ミンジチ容疑者とツケルマン容疑者は、家宅捜索の行われる前にウクライナから出国したことが判明している。

写真:大統領府