ネパール政府、ロシアに対してネパール国民を兵士として雇うことを止めるよう要請

ネパール政府は、ロシアに対して、ネパール国民をロシア軍へと雇うことを止め、これまでに雇用したネパール人兵士を全員速やかに帰還させるよう要請した。

カトマンドゥ・ポストが報じた

ネパール政府は、ロシア軍に加わり、戦争で死亡したネパール国民が6名いることを把握していると発表した。そして、ネパール外務省は、ロシア政府に対して、速やかに遺体を返還し、遺族に補償金を支払うよう要請しているという。発表には、現在ロシア軍に加わった上で、ウクライナ軍に拘束されたネパール国民1名の解放のために努力が向けられていると書かれている。

ミラン・ラジャ・トゥラダール駐ロシア・ネパール大使は、カトマンドゥ・ポストに対して、現在ロシア軍内に150〜200名のネパール国民が傭兵として参加していると発言した。

トゥラダール大使は、「私たちは、私たちのところに問い合わせてきた者をネパールへと送り返している。私たちは少なくとも毎日1名の国民を帰国させている。彼ら皆が(ロシア)軍に使えるためにロシアへ連れて来られた者たちだ」と発言した。

さらに同氏は、ネパール国民は大金を渡すという約束で誘われて、違法にロシアへと連れていかれ、さらに各人が最大100万ルピーを「エージェント」に支払っていると伝えた(編集注:1円≒0.91ルピー)。人身売買の商人により、多くのネパール国民がロシアへと就学ビザや観光ビザで入国して、軍に入っているという。さらには、ネパール外務省の情報では、ロシア国内に暮らしているネパール国民もまたこの人身売買に関わっているという。

プシュパ・カマル・ダハル・ネパール首相は、ウクライナ軍に加わっている複数のネパール国民がいることもわかっているとも発言した。同時に、両軍に参加しているネパール人の正確な数は現時点ではわかっていないという。

ネパール政府は、インドと英国を除き、外国軍へのネパール国民の参加を認めていない。8月1日には、ネパール外務省が自国民に対して、戦時下にある国の外国軍に加わらないよう自国民に要請していた。