国連事務総長、今はロシア・ウクライナ戦争の和平協議を行えないと指摘

グテーレス国連事務総長は18日、ロシアの対ウクライナ戦争につき現在真剣な和平協議を行う可能性はないとの見方を示した。

グテーレス国連事務総長が世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

グテーレス氏は、「この戦争は、もちろん終わる。なぜなら、全ては遅かれ早かれ終わるものだからだ。しかし、それが近々終わるとは思っていない。私は、両国の間で真剣な和平協議を行う可能性は目にしていない。ロシアのウクライナに対する侵攻は、国際法と国連憲章の原則への違反である」と発言した。

同氏はまた、現在両国の間には、過去についての見解に根本的な相違があり、解決策を見つけるのは困難だと指摘した。

さらに同氏は、「それが状況を複雑にしていることだけでなく、解決策は国際法の原則、領土一体性の原則遵守に基づいたものでなければならない。私は、近い将来、そのための何らかの前提条件が生じるとは見ていない」と発言した。

同時に同氏は、黒海穀物輸送イニシアティブの活動や、民間人救出や捕虜の交換の努力を指摘し、同方面のさらなる活動は人々の苦しみや世界経済にとってのこの戦争の被害を小さくすることを目的としなければならないと指摘した。

同氏は、ロシアの対ウクライナ戦争は、世界的悪影響も起こしているとし、その点で、エネルギー価格や食料価格の高騰、核セキュリティ問題を指摘した。また同氏は、世界は世界的問題の解決のために一致しなければならないと指摘した。さらに年は、現在地政学的分裂が過去最大の水準になっているとし、グローバルな改革を呼びかけた。

なお、ダボスでは、1月16日から20日にかけて、世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)が開催されている。