第30回ウクライナ防衛支援会議開催 シュミハリ国防相が結果を報告
ウクライナのシュミハリ国防相は、9日に開催された第30回ウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)では、支援は継続し、強化されていくという重要なシグナルが出されたと報告した。
シュミハリ国防相がテレグラム・チャンネルに同会合の総括を掲載した。
シュミハリ国防相は、同会合の主要な合意事項を以下のように列挙した。
EU:
・弾薬200万弾の供与コミットメントの内80%はすでに集められている
・ウクライナのニーズのための米国製兵器購入のために、「欧州平和ファシリティ」(EPF)から66億ユーロを拠出する可能性。
・SAFEメカニズムを通じたウクライナ防衛産業への投資。10月に40億ユーロ、11月に40億ユーロをウクライナ支援のために提供。
ドイツ:
・パトリオットシステム2基の供与。
・PURLイニシアティブへの5億ユーロ拠出。
・ウクライナの長射程無人機購入のための3億ユーロの資金提供。
英国:
・英国で製造され、今後12か月以内にウクライナに届けられる数千機の長射程無人機への資金提供。
ノルウェー:
・2026年のウクライナ支援のために80億米ドルを割り当て。
・迎撃用無人機契約の締結完了へ。
・北欧・バルト諸国が共同で武装させるウクライナ軍旅団への兵器提供と、ウクライナ軍人向けの共同訓練センターの運用開始。
デンマーク:
・ウクライナとの長射程兵器製造に関する共同企業の活動開始。
カナダ:
・PURLイニシアティブへの5億ドルの資金提供。
・ウクライナの無人機やその他の軍事支援への2億2000万ドルの資金提供。
・能力関連諸「連合」の発展に1億6500万ドルを拠出。
スウェーデン:
・第20支援パッケージに関する作業がまもなく完了。
リトアニア:
・PURLイニシアティブへの3000万ユーロの拠出。
・ドイツが供与する防空システム「パトリオット」の資金として3000万ユーロを拠出。
チェコ:
・2025年に100万発以上の砲弾を供与。
・80点以上の兵器を供与。
・6100万ユーロの支援パッケージを準備。
・戦闘機「F16」の操縦士・指導官を育成。
ベルギー:
・PURLイニシアティブに1億ユーロを拠出。
・新たな軍事支援パッケージを準備。
ルクセンブルク:
・PURLイニシアティブに参加。
オランダ:
・年末までに12億ユーロの支援提供。
・ウクライナにおける戦闘機「F16」の支援と操縦士確保のためのイニシアティブ「ジャンプスタート」に4億5000万ユーロ拠出。
・長射程攻撃に関する2つのプロジェクトに資金拠出。
ポーランド:
・新たな軍事支援パッケージを準備。
・今後1週間以内に155ミリ口径の砲弾1万発供与。
スペイン:
・防空システム「アイリスティー」用ミサイルを供与。
ラトビア:
・250万ユーロ規模の支援パッケージを供与。
・PURLイニシアティブに500万ユーロを拠出。
・ウクライナ軍旅団向けに装甲兵員輸送車「パトリア」を供与。
フランス:
・特に砲弾や無人機の分野における、共同産業プロジェクトの実現を加速。
・戦闘機「ミラージュ」の供与と、ウクライナの航空能力の支援。
また、シュミハリ氏は、米国に対して、強力なウクライナ支援メカニズムの立ち上げにつき謝意を伝えた。さらに同氏は、「ラムシュタイン」フォーマットでの活動の支援につき、ヒーリー英国防相とピストリウス独国防相に別途謝意を伝えた。加えて同氏は、ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長に、「PURL」イニシアティブの立ち上げにつき謝意を伝えた。
これに先立ち、9日、ロンドンにて、第30回ウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合が開催されていた。同会合には、約50か国の代表者が出席したとのこと。
写真:シュミハリ国防相