国境付近の露軍駐留の意図はまだ不明=ウクライナ大統領報道官

ニキフォロウ・ウクライナ大統領報道官は8日、ウクライナ国境付近のロシア軍部隊駐留地点では兵力はそれほど変わっていないと指摘した。

ニキフォロウ報道官が動画コメントにて発言した

ニキフォロウ氏は、「ロシア連邦は、ウクライナ国境付近に軍の特殊部隊を長らく維持している。それらの性格や活発度から、その目的について一定の結論を出すことは可能だ。もちろん、それら部隊は、ウクライナの情報機関や、私たちのパートナー国の情報機関により照準が当てられている。情報機関は、そこで一定の変化が起きていることに気付いている。変化は、数字の面ではなく、質の面で起きており、一定の強化が続いている」と発言した。

同氏は、そのような変化がパートナー国の懸念の原因となり、その情報が西側諸国の報道機関に流出したのだろうとの見方を示した。同時に同氏は、「しかし、国境におけるロシアの具体的な目的とありうる情勢展開について結論を出すのは、現時点では時期尚早である」と指摘した。

また同氏は、ウクライナは、パートナー国と様々なレベルで対話をしており、どのようなシナリオにも対応する準備ができていると発言した。

これに先立ち、10月31日、米ワシントンポスト紙がロシア軍がウクライナとの国境沿いに戦力と兵器を再び集結させていると報道。続けて、11月1日、米政治ニュースサイト「ポリティコ」は、ロシア軍のウクライナ国境近くの再集結を示すものとする衛星写真を公開していた。米政権は、ロシアによるウクライナ国境沿いの動きにつき、同盟国と協議を行っているとし、米国防省は情勢を注視していると発表している。

他方、11月1日、ウクライナ国防省情報総局は、ロシア軍の部隊・兵器の追加的投入は確認されていないと発表。2日、ウクライナ国防省は、2021年11月初頭時点のウクライナ国境付近及びロシア占領下クリミア・ドンバス一部地域に駐留するロシア軍兵力は約9万人だと発表した。また7日、ウクライナ大統領府は、米報道機関によるロシアがウクライナ国境付近に軍を再び集結させているとの報道につき、ウクライナはそのような集結を確認していないと発表している。