エネルギー汚職事件でさらに容疑者2名の勾留決定

ウクライナの高等反汚職裁判所は12日、10日に摘発されたエネルギー部門の大規模汚職犯罪の容疑者をさらに2名、保釈金設定の上で勾留する未決囚予防措置を決定した。

特別汚職対策検察(SAP)高等反汚職裁判所がフェイスブック・アカウントで報告した。なお、同日すでに、同事件の容疑者であるドミトロー・バソヴァ原子力発電公社「エネルホアトム」安全担当執行役員とイーホル・ミロニューク元エネルギー相顧問の勾留が決定されている

今回勾留が決まったのはレーシャ・ウスティメンコ容疑者とイーホル・フルセンコ容疑者。

レーシャ・ウスティメンコ容疑者 写真:ススピーリネ

国家汚職対策局(NABU)が公開した音声記録で「リョーシク」というコードネームで出てくるフルセンコ容疑者は、資金洗浄を行う「バックオフィス」での会計役を担っていたという。

イーホル・フルセンコ容疑者 写真:ススピーリネ

これに先立ち、10日、ウクライナの政権高官の汚職犯罪に特化した捜査機関「国家汚職対策局」(NABU)の捜査官が、ビジネスマンでゼレンシキー宇大統領がかつて所属していた「第95街区」のスタジオ共同所有者であるティムール・ミンジチ氏と、以前エネルギー相を務めていたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の家宅捜索を実施していた

また、NABUは、11日、エネルギー分野における汚職事件の捜査の一環として、5人を拘束し、7人に容疑を通知したと公表した

汚職犯罪調査報道プロジェクト「スヘーミ」によれば、この7人の容疑者はティムール・ミンジチ(音声記録上のコードネームは「カルルソン」、ゼレンシキー宇大統領の元ビジネスパートナー)、イーホル・ミロニューク(同「ロケート」、元エネルギー相顧問)、ドミトロー・バソヴァ(同「テノール」、原子力発電公社「エネルホアトム」安全担当執行役員)、オレクサンドル・ツケルマン(同「シュハルメン」)、イーホル・フルセンコ(同「リョーシク」)、レーシャ・ウスティメンコ、リュドミラ・ゾリナ。

ウクライナ閣僚会議(内閣)は12日、汚職犯罪事件の捜査で家宅捜索を受けたヘルマン・ハルシチェンコ司法相の職務を停止している

ゼレンシキー宇大統領は12日、このエネルギー部門の大規模汚職犯罪摘発に関連して、ヘルマン・ハルシチェンコ司法相とスヴィトラーナ・フリンチューク・エネルギー相は辞任すべきだと発言している