ウクライナ南部でロシア軍の攻勢激化=ウクライナ防衛戦力報道官
ウクライナのヴォロシン南部防衛戦力報道官は29日、同国南部のノヴォパウリウカ方面で情勢が著しく激化したとし、ロシア軍がドニプロペトロウシク州、ザポリッジャ州、ドネツィク州の境界線を突破しようとしていると発言した。
ヴォロシン報道官がテレビ番組出演中に発言した。
ヴォロシン氏は、「私たちのところでは、敵が過去24時間23回の武力衝突を実施したノヴォパウリウカ方面にて状況がかなり激化している。そこでは、ずっと激しい戦闘が続いており、敵はドニプロペトロウシク州、ザポリッジャ州、ドネツィク州の文字通り境界線を突破しようとしている。さらに、マリ・シェルバキ、ロブコヴェ、ステポヴェのある(ザポリッジャ州)オルヒウ方面の状況も引き続き不穏だ。敵は、そこで衝突ラインを突破し、橋頭堡へ到達し、それを占領しようとしている。それはザポリッジャからさほど遠くない場所で、そこから私たちの兵站、ザポリッジャからザポリッジャ州東部へ続く道、に対して火力攻撃を加えることが可能であり、ザポリッジャそのものやその郊外への砲撃を行うこともできる。さらに、過去数日間でプリドニプロウシキー方面またはヘルソン方面においても状況がかなり激化してきている」と報告した。
また同氏は、南部ヘルソン方面では、敵のドニプロ川の島々を占拠する試みが増えていると伝えた。ウクライナ側は、敵の河川移動手段を沈めているが、それでもロシア兵の一部が島に上陸できているという。
そして同氏は、「そこ(編集注:上陸した島)で敵は、その島に1、2人で残り、彼らはいわゆる『ロビンソン』をして遊ぶのだ(編集注:無人島生活をするという意味)。彼らをそこから避難させることは不可能で、彼らの司令部が彼らに弾薬と水と食料を無人機で投下している。彼らはそこで数日間滞在し、その後、私たちに対して投降した事例もある。ロシアのプロパガンダは、その事実を、島々の制圧の試みとして活用している。ただし、そのような試みは、過去数日増えている」と発言した。
その他同氏は、南部ヘルソンに対する敵の滑空爆弾と榴弾砲・無人機による二重攻撃への懸念を表明した。その際同氏は、「その(滑空)爆弾によって、敵は開発中住宅を攻撃していた。民間人の間に負傷者と死傷者が出ており、民間の建物の間に破壊が生じている。さらに、敵はその卑劣な戦術を用いている。まず爆弾によるそのような攻撃を行い、救助隊や緊急当局職員がやってくると、しばらくしてから榴弾砲砲撃を行うのだ。敵は、榴弾砲砲撃を行い、自爆型無人機でそこで避難活動や救助作業をしている当局関係者を攻撃している。おととい、1件事例があり、今日2時間前に敵は3段の誘導航空爆弾で類似の攻撃を行った」と報告した。